名古屋市南部で鉄工業を営んでる事業主Dさま。
Dさまを含む3人の兄弟とその系統の同族会社。
規模を大幅に縮小して4人程度の零細事業として経営をされていました。事業の規模を縮小したことにより空いた土地を貸し、駐車場にしました。また、空いた工場スペースを貸し工場にしていました。
Dさんの個人所有地と会社所有地を合わせて約700坪ありましたが、その個人所有地と会社所有地は道路隔てて隣接しており、双方を合わせて一体で使用していました。一体で使用することで価値があり、これを個人と会社で別々に利用すると使い勝手が悪く、価値をかなり低くしてしまいます。
一緒に事業をされていたお兄様が亡くなったことをきっかけに、相続問題が発生しました。
会社の運営と会社の財産(その大半は上記土地の約2分の1でした)を巡り次第に争いになりました。
当事務所はDさんの依頼をうけて、亡き兄の子の代理人と交渉を行いました。
会社の土地の一部を亡き兄の子に譲渡するなどの条件を組み合わせ、亡き兄の子の会社持分を買い取ることで和解を成立させました。
その後、さらなる争いを未然に防ぐため、Dさんは弟の会社持分をDさんの子が分割払いで買い取ることにしました。
このような経過があり、しばらくしてDさんが高齢で鉄鋼業を続けることが難しくなって参りました。
から、当事務所はDさんに、鉄工業を廃業して個人所有地と会社所有地を一体として事業用定期借地で貸すことを提案いたしました。
事業用定期借地なら資金負担がなくてすみます。
そして、道路隔てて2か所に分かれていますが、それらの土地を一体として賃貸できるよう努力し、当事務所は代理人として、薬局と20年の事業用定期借地契約および駐車場契約を成立させました。