名古屋市の都心部において、法人として小規模の事業会社を営まれる経営者さま。
IT技術の発展により、経営されている事業の業界においては、小規模の会社では存続が難しいと判断され、事業を廃止しました。早い段階で決断されたため、負債はありませんでした。
そして都心部に事業用の個人所有地と会社所有地が残り、自宅と貸し駐車場にしていました。
一方、その土地は再開発事業の対象地域でありましたが、複雑な利害関係が絡み計画の具体化にはかなりの年数が掛かっていました。
地権者のうち一部が他の地権者に売却するなど複雑な動きの中で、Bさんは、再開発計画にどのように対応するか悩まれ、当事務所に話を聞いて欲しいとおいでになりました。
その時以来、当事務所に継続してご相談いただく関係になっております。
地形的に、Bさんの土地を除外して再開発することは難しい状況でしたが、建設予定の建物に持分を得るには多額の借り入れが必要なためリスクがありました。また、Bさんのご家族の状況は、後継者がいなかった事から、リスクをとって無理をすることはないと思われました。
自宅として居住用の個人所有地を再開発事業のデベロッパーに売却することになり、その条件の交渉になりました。価格の交渉とともに、難航したのが慣れ親しんだ土地の近くで、Bさんが納得する住居用宅地を用意するという条件でした。
だけれども、デベロッパーはBさんが満足する宅地を探してきたのです。そこで、Bさんは居住用に使用していた部分をデベロッパーに売却し、新しい土地に住居を建築しました。
貸駐車場にしてあった会社所有地は事業用定期借地としてデべロッパーに貸す事になりました。その交渉は当初は、Bさんが当事務所と相談されながらご自身で行っていましたが、難航したため、結局当事務所に依頼されました。そうして、当事務所が代理人としてデべロッパーと交渉を重ね、条件をまとめました。
このような案件は、賃貸条件の交渉も重要なことですが、それだけでなく、Bさんの家族関係や、Bさん自身の相続の考え方を汲み取り、不動産活用の方針をたてる必要があります。
表面的な収支だけでなく、むしろ深層にある物事の解決、対策を図ることが肝要です。