立退き・明渡し請求の流れ

不動産の賃貸をする場合、賃料の滞納の問題と並んで大きな問題になるのが、賃貸借契約を解除した際に部屋を明け渡してくれるかどうかです。
部屋を速やかに明け渡してもらえれば、次の借主を入れて賃料を得ることができます。
しかし、賃料も支払わないのに部屋を明け渡してくれない借主がいる場合には、賃料も入らず、部屋も新しい人に貸せず、厳しい状態になります。

退去・明渡を求める場合、任意で交渉をする場合と、裁判で強制退去を求める場合があります。
任意の退去を求める場合、どの程度退去してもらいたいかと賃料が回収できる可能性の程度によって交渉方法が変わってきます。

すぐに退去を求めたい場合や、裁判を起こしても本人の資力の問題で賃料を回収できない可能性が高い場合には、賃料の回収よりも明け渡してもらうことを優先し、すぐに明け渡してもらえるなら滞納している賃料を減額するといった交渉も考えられます。
逆に、しっかりした連帯保証人がいたり、借主の職場がしっかりしている場合には、賃料を回収するつもりで明渡の交渉をすることも考えられます。

明渡の交渉がうまくいかない場合には、明渡の裁判を行う必要があります。
これは、自力救済の禁止(裁判所の手続きによらずに実力行使してはならない)という原則があり、勝手に家具を処分したり、鍵を交換して入れなくしたりした場合に問題になることがあるためです。

明渡請求の流れ

一般的な賃料滞納により明渡を求める場合の流れとしては、
①内容証明郵便で賃料の一括払いを求め、期限を区切ってその期限までに支払えない場合には、賃貸借契約を解除する通知を送る
②期限までに滞納賃料が支払われない場合には、明渡を求める
③任意に明け渡さない場合には明渡の訴訟を起こす
④裁判で明渡が認められた場合には、明渡の強制執行を行うというものです。

賃料を滞納しているという理由であれば、反論も出にくいですので、比較的速やかに判決が出て、明渡が認められる場合も多く見られます。

しかし、裁判で明渡が認められたからといって、裁判所や国が自動的に部屋に置いてある家具などを搬出し、鍵を交換して次の人に貸せる状態にしてくれるわけではありません。

裁判で明渡が認められても退去しない場合や、行方不明になって荷物を搬出しない場合には、裁判で明渡が認められた後、裁判所の執行官に対して、明渡の強制執行を申し立てます。
この場合、執行官の費用、部屋の中の荷物を搬出する費用、鍵を交換する費用など、様々な費用がかかってきます。
そのため、現実には、考えていたよりも費用がかかる場合が多くあります。

また、明渡の強制執行も、申し立てれば直ちに行ってくれるというものでもありません。
明渡の完了まで、概ね1か月から2か月程度は見ておいた方が無難であると思われます。

このように明渡の強制執行をする場合には、裁判、強制執行を含めて、多くの時間、費用、労力がかかりますので、できれば任意に明渡を求めたいところです。

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