不動産を賃貸する上でのトラブルは、原状回復と並んで賃料滞納の問題が大きくあります。
借りている人には、病気や失業などいろいろな理由で賃料を支払えないとか、賃料を滞納してしまう事態が想定されます。賃料の滞納はできるだけない方がいいのですが、実際には、たくさんの賃借人がいれば、一定の割合で賃料を滞納する人は出てしまうものです。
賃料の滞納があった場合、どのようにしたらいいのでしょうか。
滞納があってすぐに弁護士等の専門家に依頼する方は少ないと思いますが、賃料の滞納が分かった段階ですぐに行動する方はどの程度いらっしゃるでしょうか。
賃料の滞納が分かった場合には、まずは1日でも早く行動することが重要になってきます。
忘れているだけならすぐに支払うことができますが、自分の家という重要な財産(賃借権も財産権の一種と考えられます)を失う可能性があるにも関わらず賃料を滞納する人は、賃料以外にも借金などを抱え、その日暮しになっている可能性も考えられます。
このような場合には、請求されたものから支払っていき、時間がかかるほど支払いの原資がなくなってしまいます。
そのため、まずは入金日に記帳等をして確認し、滞納・未入金がないかどうかを素早く確認することが必要になってきます。
では、滞納・未入金が分かったら、どうしたらいいのでしょうか。
このような場合、以下のような流れで連絡を取ることが考えられます。
まず借りている方に電話等で連絡をして催促します。
電話が一番連絡が取りやすい方法ではないかと思われます。しかし、仕事などで日中は出られないとか、知らない電話番号には出ないという方もかなりいると思われますので、そのような場合には、夜間に連絡をする、留守番電話を残すことも考えられます。
電子メール、携帯電話のショートメッセージ(SMS、Cメール)など、連絡が取れるなら電話でなくても構いません。
電話やメールで連絡がつかない場合には、住所にあてて郵便を送ります。
簡易書留等であれば、郵便局のホームページ上から受け取ったかどうか確認ができますので、便利です。
ただし、ポストを見ずに郵便物が届いていることに気付かない人もいます。そのような場合には、直接住居に行って、メモを残す等の方法も考えられます。
ただし、この場合、大々的に張り紙をして名誉棄損だと言われないように注意が必要です。
あくまで、ポストに入れる程度や、ドアと壁の隙間に挟む程度が無難だと考えられます。
これでも連絡が取れない場合には、最終的には保証人に連絡を取るしかなくなってきます。
全く連絡が取れない場合には、借りている方の安否も気になるところですので、保証人や親族にそれとなく連絡をとることが考えられます。
これでも全く連絡が取れない場合には、賃借人に支払う意思がないのか、行方不明になっているか、いずれかの可能性がありますので、専門家に相談し、法的手段をとるしかなくなってきます。