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賃貸人の修繕義務

賃貸人は、賃借人に対し、賃貸物件を使用収益させる義務を負いますので、そのために必要な修繕義務も賃貸人が負うことになります。

この点、改正前民法では、賃貸人の修繕義務の定めはありましたが、例えば、賃借人が窓ガラスを不注意で割った場合や、賃借人がスマホをトイレに落としてトイレを詰まらせた場合など、修繕の必要性が、賃借人の責めに帰すべき場合に生じた場合にまで、賃貸人が修繕義務を負うのか否かについては、明らかではありませんでした。

この点、改正民法では、賃借人の責めに帰すべき事情によって生じたものについては、貸主に修繕義務がないことを明文化しました。

修繕

第606条

  1. 賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
  2. 賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。

貸借人の修繕権

先ほど、賃貸人が修繕義務を負うと書きましたが、賃借人が自ら賃借物を修繕することができるのでしょか。

改正前民法では、賃借人の修繕権を定めた規定はありませんでしたが、「賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、ただちにその償還を請求することができる」(改正前・改正後ともに第608条第1項)との規定があることから、賃借人が賃借物を修繕することができることは、当然の前提とされていました。

ただ、賃借人が修繕をしてその費用を賃貸人に請求した場合、その修繕費用が必要であったのか否か、適切な金額であったのか否かで争いになることがありました。

そこで、賃借物の修繕は、所有者である賃貸人が修繕したほうが適切で合理的な修繕ができるとの配慮から、改正民法では、借主の修繕権を明文化するとともに、

1. 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき
2. 急迫の事情があるとき
には、賃借人が修繕を行うことができるとして、修繕権を行使できる場合の要件を定めました。

第607条の2

賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。

  1. 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。
  2. 急迫の事情があるとき。
  3. 賃借人が適法に修繕したとき

賃借人が上記要件を満たし適法に修繕した場合には、賃貸人に対し、直ちに必要費を請求できます。

逆に言うと、上記要件がないにも関わらず、賃借人が修繕してしまった場合には、その費用負担について争いを招くことになりますので、修繕については、契約書で具体的に定めておくのがいいでしょう。

第608条

  1. 賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。
  2. 賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第百九十六条第二項の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。

賃貸人が修繕義務を負わないことの特約

賃貸人が修繕義務を負わないことの特約自体は有効であると解されています(最高裁昭和43年1月25日)。

ただ、賃貸人が修繕義務を負わない=賃借人が修繕義務を負う、わけではありません。
特約で賃貸人が修繕義務を負わないからといって、当然に賃借人が修繕義務を負うわけではありません。

最高裁昭和43年1月25日
賃貸借契約書中に記載された「入居後の大小修繕は賃借人がする」旨の条項は、単に賃貸人が民法第606条第1項所定の修繕義務を負わないとの趣旨であったのにすぎず、賃借人が右家屋の使用中に生ずる一切の汚損、破損個所を自己の費用で修繕し、右家屋を賃借当初と同一状態で維持すべき義務があるとの趣旨ではないと解するのが相当である。

賃借人に修繕義務を負わせる特約

では、特約で、賃借人が修繕義務を負うことを定める旨の特約は有効でしょうか。

この点、修繕義務を賃借人の負担とするような特約も、賃貸人が修繕義務を負わないという意味では有効と考えられます(最高裁昭和43年1月25日、最高裁昭和29年6月25日)。

そのため、かかる特約がある場合には、賃貸人が修繕義務を負わない結果として、必要に応じて賃借人のほうで修繕することになります。

もっとも、かかる特約があっても、積極的に賃借人に修繕義務を課すこと(たとえば、賃借人が修繕しない場合には、契約義務違反として賃貸人が賃貸借契約を解約できるなど)までは意味していないと考えられています(名古屋地裁平2・10・19)。

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