現在お持ちの不動産を担保にして、資金の借り入れをするという種類のローンです。住宅ローンがその典型例ですが、住宅ローンに限らず、所有している土地を担保に事業資金の借り入れをするのも、税金対策のために不動産を担保に収益物件を建てる資金を借り入れをするのも、不動産担保ローンの1つです。
不動産担保ローンは、現在お持ちの不動産を担保にするという特殊性から、以下のような特徴があります。
不動産担保ローンを組む場合には、借入金額を被担保債権として、不動産に(根)抵当権を設定し、その旨の登記をすることとなります。
「(根)抵当権を設定する」ということを簡単に説明すると、借主が金融機関に借りたお金を返せなくなった場合、金融機関が裁判所に請求することで不動産を強制的に競売し、優先的に競売代金を受け取ることができるという約束をするということです。借り入れの返済を怠れば、不動産を失ってしまうことになるのですから、この点は、不動産担保ローンを組む際の最大のリスクといえます。
しかも、一度、根抵当権設定契約をしてしまうと、契約の内容に重要な勘違い(錯誤)がある場合や、詐欺により契約をしてしまった場合でなければ、取り消すことは困難となります。
不動産が担保となっていますので、金融業者としては、借主からの返済が滞っても、不動産を競売することで貸金の回収を図ることができます。そのため、通常の借り入れに比べると、借入れ期間が長く、かつ低金利であることが多いのが特徴です。
通常、金融機関から借り入れをする場合には、15%を下回る利率で借り入れをすることは困難ですが、不動産担保ローンの場合には、数%程度の利率で借り入れをすることが可能です。
現在、総量規制という平成22年6月に導入された制度の影響で、個人が金融機関や消費者金融から借り入れをする場合には、年収の3分の1以上の借り入れをすることはできません。
ところが、不動産担保ローンは、原則として、総量規制の対象外となるため、急な多額の出費にも対応が可能です。ただし、自宅を担保とした借り入れで、かつ不動産の購入のためではない借り入れの場合には、総量規制の対象となります。